す、と温度が下がる感覚がした。 東堂くんの温度のない瞳が、私に突き刺さる。 「……だから、そういうのがうざいって言ってんだよ」 抑揚のないトーンが、逆に強い苛立ちを表しているようで。 少し、振り向いてくれたかと思ったら。 気付いた時にはもう背中を向け歩いてく。 やっぱり私は、少しも彼に近づけない。