東堂くんは喋らない。






ポンッ



ハチが、そんな私を励ますように前足を膝に乗せた。




「…ふふ、優しいねハチは。
よーし!今日は久しぶりに二人で思いっきり遊ぼう!」



「ワンッ!」



気付いたら近くで遊んでいた子供たちも混じって、みんなで思い切り遊んで。




「じゃぁねお姉ちゃん、ハチ、ばいばーい!」



「ばいばーい!」



子供たちが帰ったときには、すっかり夕日も沈んでた。





ちょっと子供たちを家に帰すの遅くなっちゃったかな、なんてちょっと反省。




「…私たちもそろそろ帰ろっか、ハチ」



「ワンッ!」




…もしかしたら、来るかも。とかちょっと思ってたけど…



やっぱりないよね。来るわけない。




…よしっ!今日の夕ご飯は大好きなビーフシチューって言ってたし、気を取り直してはやく帰らなくちゃ!




「よーしハチッ!急いで帰ろ~!」


「え~もう帰っちゃうの?」


「……は?」



一瞬、ハチが喋った!?なんて驚いたたけど、そんなことあるワケない。




気付いたら、2人組の男子が私の行方を阻むように立っていた。




この制服…隣の男子校の制服だ。




2人とも髪染めてるし、制服着崩してるし…明らかにチャラい感じ。




「…か、帰りますけど」



「そんなこと言わないで!俺らともうちょっとお話してこーよ」




何これ?もしかして…ナンパってやつ!?