「………………前はじぃちゃんが昼間に散歩させてたけど、腰痛めて」
長い沈黙の後、嫌々そうながらもようやく口を開いてくれた東堂くん。
「…親共働きだし、俺しか散歩できる人いねぇから」
「そっかぁ、なるほど」
だから最近急に会うようになったのね。
「ココア、おいでー」
呼べば、ワンッと吠えてすり寄ってくるココア。(ハチの嫉妬の眼差しには気づかないふり)
うーん、可愛い〜!
「あは、飼い主に似ず社交的だなぁ♪」
「……」
「……あ。」
ジロリと突き刺さった視線に、私はやっと自分の失言に気づく。
しまった、つい…本音が!
「あ、あの…」
「…おまえの犬は飼い主によく似てるよな」
「えっ、そう?」
「単純バカそうなところとか」
単純バカ!?