―――友達に、なりたいと思った。
はじめて言われた“すき”に戸惑って
遠回りしたけれど、はじめて誰かを“すき”って気付いた。
無口で無愛想で、仏頂面の彼。
いつから恋になったのかは、分からない。
だけど――
“東堂くんに、笑ってほしい”
そう思った時から実は、この気持ちは始まっていたのかも。
二回目のキスは少しだけ長い。
唇をはなすと、なんだか急に恥ずかしさが込み上げてきて、顔を逸らした。
「ととっ、東堂、くん!」
「…ん?」
「だ、大好き!!…です…」
「…言いながら恥ずかしがんの、やめてよ。
…お、俺も…す、すき(超小声)だし…」
「えっ何て?」
「…………」
私たちは、まだまだこれから。
-fin-