東堂くんは喋らない。






「スッキリしたか?」



山本がケチャップをつけたポテトを口に放り込みながら聞く。




…山本、最近ウジウジしてる私を心配して、映画館に連れ出してくれたのかな。




「うん、ありがとう」



そう思うと、素直にお礼を言うことができた。




「おっしゃ、じゃー、つ、次いくか!」




そして立ち上がった山本。立ち上がる時に机にぶつかって、紙コップに入っていた水がバシャンと零れた。



「ちょっ何してんの、大丈夫?」



「お、おー」



「もー…で、次はどこに行く予定?」



「そ、それは、つ、ついてきたら分かる!」




なぜかカチンコチンになっている山本。




「山本?どうしたの?なんか変だよ?」



「へっ変じゃねーよ!」



そして紙ナプキンで机を拭く私を置いて、サッサと店を出て行ってしまった。




「は?ちょっと待ってよ!」