東堂くんは喋らない。






そしてつれてこられたのは、映画館の前だった。



日曜の映画館は、家族連れやらカップルやらでなかなか賑わっている。




「…映画見るの?」


「おう!」


「私、今特に見たい映画がないからパス。じゃ…」


「あーちょっと待てよ!」



帰ろうとした私をすかさず引きとめる山本。




「お前が見たくなくても俺が見たいんだ。よって付き合え」



そしてわけの分からない理論を言う。




「えー…」


「もう上映時間迫ってんだよ、行くぞ!!」




そして全く乗り気じゃないまま、私はシアターへと無理やり連れ込まれた。









―――二時間半後



「あの!主人公ビューンて飛ぶとこ!ヤバくなかったか!?」


「ほんとに!あと敵のボスが機関銃を打ちまくるところもすっごい爽快で…」




私と山本は、映画館に隣接しているハンバーガーショップで、ポテト片手に熱い映画トークを交わしていた。



山本が私に無理やり見せたのは、今流行りのアクション映画で。



はじめは渋々…といった感じでスクリーンを眺めていた私だけど、数々繰り出されるド派手なアクションに、気付けば身を乗り出して夢中で見ていた。