東堂くんは喋らない。





「何で山本がココにっ?」



急いで下に降りて外に出ると、ハチに威嚇されるのも変わらず山本が「おうおう、俺って動物にまでモテるのか?」と見当違いなことを言っていた。



そんなハチを宥めながら山本に聞く。すると山本が偉そうに




「お前を連れ出しにきた」



と言った。




「え?どういう意味?」


「そのまんまだよ。どーせ、日曜でもゴロゴロしてるんだろって思ってさ。行くぞ!」



そして強引に私の腕をつかんで――ってちょっと!




「どこに行くの?大体、私今からハチの散歩を…」



「大丈夫だって。一日くらい散歩サボったって死にはしねぇ。なっ犬?」



そしてハチに問いかけると、「ヴー…」と唸り声で返されていた。



「ほら、余裕だってよ」



嘘つけ。飼い主の私には『は?何言ってんだ貴様?』としか聞こえなかったぞ。





「とにかく行くぞ!お前最近ウジウジウジウジしてて鬱陶しいんだよ!」



「ちょ、そんなの、別に山本には関係な…」



「いいから、黙って俺についてこい!」




そして私の腕をつかんでグイグイ強引に引っ張っていく。