東堂くんは喋らない。







「考えてみりゃぁ、2年になって一回も席替えしてねーだろ、お前ら。
これは異常だぞ?普通席替えしようぜ!って声があがってくるだろうが」




い、言われてみれば確かに。


頷いたのはきっと、私だけではないはずだ。



この席の居心地が思いのほか良くて、そんなこと考えたこともなかった。




「つーわけで!適当にクジ作ってきたから、あとはテキトーにお前らで席替えしろ!以上だ!」



そして、タバコすってくらぁ~、とどこかに消えた。なんていい加減なんだ。




まぁ、何だかんだでその後、席替えが始まった。



といっても座席表に適当に数字を振って、あとは担任お手製のクジを引くだけ。




ワイワイ、ガヤガヤと賑わう教室で、私はクジを引く順番を待ちながら、チラリと隣を窺った。




東堂くんはまるで関心なさそうに、今日も分厚い本を読んでいる。