…柑奈と山本の言ってることはすごくよく分かるし、たぶん私も、目の前で私と同じようなことを言っている人がいたら、二人と同じことを言うんだと思う。
でも
一回、友達でいて欲しいって言ったくせに。
『…松原…俺のこと好きなの?』
『………それは…』
『好きじゃないんだろ?』
半端な態度を取っておいて、なのに今更、好きなんて
さすがに自分勝手すぎる。
…私って、こんなにウジウジした性格だったっけ。
東堂くんを好きだって自覚した時、それまでの心のモヤモヤが一瞬、全部晴れた気がした。
なのにまた、このモヤモヤに逆戻りだ。
そしてそんな私に追い打ちをかけるような出来事が起きた。
それは6時間目、本日の最終授業。LHRでの出来事だ。
「そろそろ席替えでもすっかぁ」
担任がダルそうに教壇に立つやいなや、そんなことを言い始めたのだ。