―――…
「お前ら、絶対何かあっただろ」
そして時は流れ、昼休み。
私は柑奈に東堂くんとの間にあったことを洗いざらい話す…約束になっていたのだが、私が話し始める前に山本が乱入してきた。
「東堂、いつもに増してスゲー暗いし。
お前もなんか様子変だし!」
「それを今から聞くことになってたんだってば。邪魔しないでよ山本!」
柑奈が鬱陶しそうに山本を睨む。
「え?そーなの?なになに??」
山本が興味深そうにパンを食わえながら身を乗り出してきて。
…私はこないだ、東堂くんとの間にあったことも、私の気持ちも…洗いざらい話すことになってしまった。
「…なるほどな」
私の話を聞き終え、重々しく頷くのは山本。
「やっ…と、自覚したか!遅いんだよ、やっぱ小学生並みの恋愛脳だったか」
そしてモグモグと焼きそばパンを咀嚼しながら貶してくる。
「…って、山本には私の気持ちが分かってたっていうわけ?」
「あったりめーだろ。
お前分かりやすすぎだし!」
…え、マジか。
柑奈が、だから言ったでしょ?とでも言いたげな目つきで微笑んでくる。
…本人より周りが先に気付くって、私ってもしかして、だいぶ鈍い方の人間なんだろうか。
落ち込んでいると、柑奈が艶っぽく髪を耳にかけながら言った。
「…で、香弥はいつ気持ち言うわけ?東堂に」
「…え。い…言った方がいいの?」
瞬間、「バカか!?」「バカじゃないの!?」と猛烈批判が飛んできた。
「もう東堂は香弥のこと好きって言ってるわけだから、二人は両想いなんだよ?付き合わない手はないでしょ?」
そして柑奈が、まるで小学校の先生のような優しい口調で説明してくれる。
「え…で、でも、なんか今更、っていうか…」
「はぁあ?仕方ねーだろお前が小学生レベルの恋愛脳なんだから。
とっとと告れ!バカか!」
そして山本が、まるでヤンキーのような厳しい口調で怒号を飛ばしてくる。