「…私、東堂くんに好きって言われたとき、すっごくビックリした」
「……突然だな」
私の話に東堂くんが驚いたように一瞬目を瞠って、それから苦笑いする。
「…うん、ごめん。でも同時にすごく嬉しかった」
「………」
「それで、それと同じくらい戸惑った。
私は東堂くんとずっと友達になりたいって思ってたけど、東堂くんは違ったんだって」
「……俺も予想外だったんだよ」
ふっと東堂くんが、隣で息をつく気配。
「はじめはウザいとしか思ってなかったのに」
うっ…知ってたことだけど、結構グサッとくるな。
「…でも」
東堂くんが切なげに目を細めて私を見る。
「いつの間にか、友達以上にしか見れなくなってた」
…ギュッと胸が縮まって、息苦しい。
ダメだダメだ。何で私が泣きそうになってんの。
「…ごめん、すごく嬉しいよ。だけど、ごめん」
私も東堂くんがすき。
だけど…たぶん、きっと
「私お子チャマだから。東堂くんとは…ずっと友達でいたい。
卑怯だけど、ズルいけど、
私、東堂くんと話せなくなるとか絶対嫌だから。
…これからも、いい友達でいて欲しい」
立ちあがって、ガバッと頭を下げる私の上で、東堂くんがため息をついたのが分かった。
「…ずいぶん酷なこと言うよな」
うっ…だ、だよね…都合よすぎるよね。
「だけど、」
東堂くんがそっと私の肩を持って、顔をあげさせた。
「たぶん俺、アンタのそーゆうバカ正直なとこ、好きになったんだろうな」