東堂くんは喋らない。






「……俺、山本にも数学教えるなんて言ってないけど」



「そんなケチケチすんなよ~!俺ら友達だろ☆」



「違うけど」



「はぁ~…相変わらず酷い奴だなぁ、お前…」




やれやれ、と肩を竦める山本。



酷いも何も、事実を言ったまでだ。





「まぁまぁ東堂くん」




すると、それまで黙っていた松原が、苦笑いを浮かべながら口を開いた。





「山本、めっちゃバカだからさ…なんとか頼むよ。ねっ?」




「そうだぞ東堂!俺めっちゃバカ…って、松原に言われたくないわ!」




「はぁ?あんたの方が2点も下のくせに」



「俺の方が国語は3点上だった!」




「………」




俺は“目くそ鼻くそを笑う”ということわざを思い出した。