「え、ちょ、マジで!?いつから!?」



『い、いつからって、そのー…気付いたら?』



「えー!うそ!全っ然気付かなかった…!」



『あー、おまえそういうの鈍そうだもんなぁ。彼氏できたことねーしな』



「うるさいよ!」




彼女できたことない人になぜそんな上から目線で言われなければならないのか。




「そんなこと言ってると、協力しないけど」



『えっ協力してくれんの!?』




スマホ越しの山本の声が、一気に変わったのが分かる。




「あーあ、せっかく花火大会も一緒に行ってやってもいいかと思ったのに…」



『松原…いや、松原さま!お願いします一生のお願いっ!』



「……しょ~がないなぁ。駅前のドーナツ3個で手をうとう」



「え、まさかお前、そんな食うの?そんなことしてっからデブ……いや、分かりました!お安いごようです!」




ふっふっふ、なんか山本が手下になった気分。





「やっぱドーナツ4個で~♪」



『はぁ?おまっ…』



「何か?」



『…いえ、4個ですね。承知致しました!』