深紅の絨毯が広がる。
長い廊下を私は進む。
緩やかな老化を友に。



泡の浮かぶ、琥珀の液体。
喉を通るたびに、私の身体は火照る。
月と同じ琥珀色。
私の中に満ちていく。

私は王。
夜という世界の王。
太陽が沈み、空が一枚ずつ暗色の衣を纏う時、私の世界が始まるのだ。
私は孤独だ。
夜は人々も孤独に襲われる。私は夜の王であるから、私が孤独なのも必然だ。



さぁ、我が世界へようこそ!
我が世界は、静寂で暗闇で包んでくれる。愛おしき我が世界、悲しき我が世界…!!



人々よ、悲しみに暮れるな。
夜はソナタらの味方ぞ。
人々よ、孤独になれ。
夜は皆孤独である。





私は夜の王。
深紅の絨毯を進み、琥珀色の液体を嚥下し、孤独を楽しむ者。







我が世界、夜の世界。




END