「…ハッ…拒否する理由が見つからない」

「!」

「…ようこそ。龍乱へ」


「…誠心誠意この街を守りましょう。命ある限り」


次の瞬間割れんばかりの拍手と叫び声に包まれた


「柚希!」

「…蘭」

「ようこそ!龍乱へ!ようやく仲間になってくれたね」

「ごめん。遅くなっちゃったわ」


「それになんだ、さっきの下手くそな笑顔は」

「俺は可愛いと思ったけどな〜?ゆーちゃんらしくて」

「笑わない太一が言えることじゃないだろ?」

「ごもっともだね」

「おい」


「…これからどうぞよろしく」

「「「「「おう!/うん!」」」」」


それから数時間皆で騒いでた

もうこんな時間ね

「私、もう帰らなきゃ」

「も…もう帰るの!?」

蘭が寂しそうな声を出して、呼び止めた


「準備が終わってないのよ。夜は最後の見回りに行かなきゃいけないし」

「そっ…か…」


「柚希」

「優馬…」

「来れる日は出来るだけ顔出せよ」

「ええ…分かってるわ」


「あと…これ」

優馬が取り出したのは

「…ピアス?」

月と星、そして龍が付いたピアスだった

月と星は金色、龍は白銀に輝いていた

「…穴、開けてんだろ?」


「バレてたの?」

幹部のみんなと同じ位置

右耳は上に一つと耳たぶの上に一つ

左耳は耳たぶの一番下に一つ


「これで柚希も、幹部の仲間入りだ」

「いいの?幹部から始めても」

「全員認めてる…てか嫌だろ。自分より強い新入りが下っ端扱いされてるとか。アイツらが言い出したんだよ。柚希は絶対幹部だー、って」

「そう」


優馬の手からピアスを取り

右耳の上に星、耳たぶの上に月を

左耳に龍を着けた

「似合う?」

「おう」


「それじゃあ帰るわね。週末は絶対に来るから」

「じゃあね!敵校でも頑張って!」


「頑張れよー新入りー」

「寝返ったら承知しねーぞー」


「あなた達も隠れてエロ本ばっかり読んでないで彼女ぐらい作りなさいよねー!」

「「「なんでバレてやがるんだー!」」」


「フフっ…」

ようやく仲間になれた

こんな楽しい所、抜けるはずがないわ


キラリ、と耳につけた龍のピアスが光った