ガバッ


「…なに…今の…」

あれは…なに…?

「柚ー?ちょっと降りて来てー」

「う…ん…すぐ行く…」


お兄ちゃんから呼ばれた


部屋を出て、階段を降りる

リビングへの扉を開け、中に入った


「おはよう。柚」

「おはよう…海兄」


命下海斗―Meika Kaito―

私のお義兄ちゃん

青色の髪に、透き通るような水色の目

成人していて、今は捕獲庁に勤めている


この世界では、人間と魔物が共存している

いい心を持つ魔物もいれば

悪い心を持つ魔物もいる

時に、悪さをするために、人間を襲うヤツらがいる

そんな魔物を捕らえるのが、能力者たちが集う捕獲庁


海兄はそんな中で最も偉い、捕獲総監

捕獲庁の中で、一番強い人が捕獲総監になることができる

年齢性別は一切関係なし

一年に一度行われるフェスティバルの中の項目に“捕獲庁トーナメント”がある

その捕獲庁トーナメントで優勝した人が捕獲総監になれる

お義兄ちゃんは捕獲官になってわずか半年で優勝

世界最年少の捕獲総監になった