『……れか………けて……』

ああ…またなのね

何度目かしら

この何も見えない暗闇の中で、幼い少女の声を聞くのは


相変わらず、何を言っているのかは聞こえないけれど

どこかで聞いたことのあるような声

思い出せないけれど


悲しいのかしら…泣いているわ

啜り泣く声が聞こえる

泣き声を聞くのは初めてで

少し戸惑ってしまう


ここにこれ以上いると、気が狂ってしまいそう

いつも通り、少女に話しかける

「…ねぇ、何故そこにいるの?」

と…――――


いつもは何も言わず、動かず、同じことが続くだけ

だけど、今日はいつもと様子が違う

『…私は…ワタシ…貴女は…アナタ』

初めて聞く言葉

『…私は…アナタ…貴女は…ワタシ…』

ああ、そうだわ。思い出した

この子は私

私はこの子

「…私とアナタは同じなのね」

『ワタシは貴女。アナタは私』


繰り返される言葉の中で私は、“ワタシ”の“ココロ”を聞いた






『だれかタスケテ…――――――』