王子の結婚


気がつけば窓から差していた日差しはオレンジ色に変わっている

「ずいぶん話し込んじゃったね
お腹すいてない?ご飯の用意させようか?」

身体を放して立ち上がり、扉に向かうソウの手を咄嗟に掴んだ

一瞬吃驚した顔をしたがすぐに微笑んで『どうしたの?』と声をかける

ユナは立ち上がるやいなや、自分から腕を回し抱きついた
背の高いソウの胸元に顔をうずめる

「まだ二人でいたい…」

ソウから放されて距離が出来た途端に切なさが襲った
やっと想いが通じ合ったのに、まだ離れたくない

「ユナの気持ちも聞いていい?
何の気遣いも、誤魔化しもない本当の気持ち」

抱きついているユナをそのままに顔だけを上に向かせた
真剣な眼差しで問う

ユナは少し緊急しながらも頬を染めて告白した


「ソウ王子を愛しています」


見つめられているのに耐えきれず、再び顔をうずめようとしたけれど、それはかなわなかった

両手で頬を挟まれ、視線が交錯する
スローモーションのように彼の唇が近付いてくるのが目に映る

優しく唇が触れた
でもそれはほんの一瞬で
すぐに貪るような口付けに変わる

激しいキスで思考回路はパンクしていて、ソウに圧され少しずつ後退していることにも気付いていなかった

膝の裏側に何かが当たった
それは分かったけれど、ソウの腕はがっちりとユナを抱え込んでいて、唇を離す気配はない
そのままゆっくりとユナの舌を味わい、やっと離されたかと思うと、ポンと肩を押され後ろに倒れた

驚く間もなく、そこがベッドの上だと悟った
ユナの上に覆い被さってくるソウの瞳が艶を纏っている

「今夜はずっと二人でいよう」

ドキドキと急速に胸が鳴り出す
それは…

「あのっ…」

言葉に詰まる
ソウのいわんとすることは分かる
でも…

「ユナが望んたんだよ?」

妖しい笑みを浮かべている
ユナの反応を楽しんでいるのは確かだった

「…そうゆうことではなくて…」

おろおろするユナを上から見下ろしながら『そうゆうこと』って?と愉しそうに吐く
答えられないユナが可愛くて更に追い詰めたくなる

「ユナが兄上と抱き合っていたのを見て、嫉妬でおかしくなりそうだった
僕のものだって、もっと分からせてあげたいよ」

恐ろしいほど妖艶なソウの表情にゾクリとする
そしてドキンと胸が高鳴る

「兄上も、他の誰からも隠して僕だけのものにしてしまいたいよ」

その狂気じみた言葉さえ嬉しい


私ももう、狂おしいほど貴方が愛おしい

自分から腕を伸ばし、ソウの首を抱き寄せた