「こんな日が、いつまでも続けばいいのに・・・」




千代の呟き。
鬼羅は聞こえないふりを決め込む。



いつまでも、続くはずがないと・・・。
どこかで感じていた。





時光も影正も逃げ出した千代を放ってはおかないだろう。
どうにかして取戻しにやってくるはず。


そんなことは、千代自身もわかっていた。
でも、どうかその時までは・・・。



現実から目を塞いで。
この幸せに浸っていたいと願う。




この幸せな生活はなんて脆い。




簡単に崩れ去ってしまう幸せなのだと・・・。






「ほら、行くぞ」



鬼羅が伸ばした手を取り歩き出す。
不安なことは忘れてしまおう。