「まぁ、なんて可愛らしい子鬼さまなんでしょう!」

「な、な、なんだ、ほめてもなにもでんぞっ!」

「天さまでございますね!私は、千代にございます」





目を輝かせて同じように自己紹介をする。
その勢いに圧されたのは天だった。



「きー、というのは?」

「きーは、おれたちおにのおさだっ!」

「おさ・・・」

「とのさまってことだ!」




鬼の一番偉い人。
それがきーという鬼なのだという。
千代は首をかしげた。





「きー・・・鬼羅・・・?」

「そうだ!おまえもしっているはずだっ!きーもいっていた!」

「鬼羅って、鬼の殿様だったのですね!」


両手を合わせて目を輝かせた。
そんな偉い人だったとは。



「鬼羅は、どうしていますか?」

「きーはかわってしまった。むやみににんげんをおそうなとおこるし。ときどきぼーっとしてうわのそらだ」

「まぁ。でも、元気なのですね。よかった」




ホッと肩を下ろす。
たくさん傷を負っていたから心配していたのだ。