ダン!
大きな音を立て扉が開かれる。

そこには、武装した武士たちの姿。




「姫様!いたぞ!」



千代の姿を見つけると、武士たちは声を上げ応援を呼ぶ。
千代を探しに来た者たちなのだと気付いた。




「化け物め!姫様を離せ!」





鬼羅に剣を向け構える武士たち。
鬼羅は背中に千代を隠すように前に出る。





「鬼羅っ」

「大丈夫だ」




眉を寄せ武士たちを睨みつける。
にらみ合いの時間が続いた。


動き出したのはどちらかだったか。
どちらからともなく動き出し、一斉に鬼羅に襲い始める。

鬼羅は武士の剣を交わしながら軽やかな体を翻し攻防していく。





「姫様!こちらに!」




隙を見て数人の武士が千代に駆け寄り腕を取った。