二人は語らい合った。
互いの事、そしてこの世界の事。


話は尽きず、日が暮れるのも構わず。
そしていつしか新しい朝を迎えようとしていた。




「帰らなくてよいのか」




その時になってようやく気遣う声をかければ。





「もっと、鬼羅と一緒にいたい」





千代の素直な思いが溢れだす。
二人の視線が絡み合う。

鬼羅の手が千代の頬に伸びる。




「変な気分だ・・・」

「変?」

「お前のことなんて、ただの憎い人間としか思っていなかったのに・・・」




頬に添えていた手をすっと首の後ろに回す。
そのまま力を込め千代の身体を引き寄せた。





「鬼羅・・・」