「・・・着物。よかったのか」

「これしき、平気です。鬼羅の傷の手当の方が大事ですから」



当然のごとく言い切る。
話せば話すほど、鬼羅は千代に惹きこまれていっていた。




「鬼というのは、人間と何が違うのですか?」



千代が鬼羅の隣に腰を下ろし、不思議そうに尋ねる。




「寿命は、鬼の方がはるかに長いだろうな」

「まあ、では、鬼羅も私よりずっと長く生きているのですか?」

「お前は、いくつだ」

「千代は、16にございます」

「なんだ、まだ子どもじゃねぇか」




子ども、そう言われた千代は頬を膨らませ鬼羅を見る。
鬼羅はそんな千代をチラリと見やると、鼻でフッと笑う。



「千代は子供ではございません!」

「俺から見れば、皆子どもだ」

「まあ!見た目はさほど変わりはしませんわよ!」




食い下がらない千代に、鬼羅はついには吹き出した。
その笑顔を見て、千代はパッと目を輝かせた。