「おでこ、赤くなっちゃったね」
「え?あ、あはは」
地面にうち付け赤くなったおでこ。
掌にも擦り傷ができてしまっていた。
「ちょっと待ってて」
琉鬼はそう言うと軽々と駆け出した。
木に乗り移りあっという間に遠ざかって行ってしまう。
「身軽なのですね」
「化け物、だからな」
「鬼羅さまたちはなんなのですか?わたくしは人間です」
「そんなことを聞いてどうする」
「気になるのです」
「・・・鬼だ」
ポツリと呟くように告げられる。
鬼。
人間ではない別の種族。
「この森にはその鬼さんがたくさん棲んでいるのですか?」
辺りを見渡しながら尋ねる。
散々歩いてきたが二人にしか出会わなかったのだ。


