「お待ちください、鬼羅さま、琉鬼さま」
置いてかれると慌てて追いかける。
足をもつれさせながら必死で追いかけた。
「ついてくるな」
鬼羅は冷たく言い捨て歩く速度を上げ進んでいく。
琉鬼も口をはさむことなく鬼羅について歩いていく。
それでも千代は追いかけることを辞めずひたすらに足場の悪い森の中を進んでいく。
彼らに見捨てられたらまた一人になってしまう。
孤独は嫌だ。
一人は嫌だ。
ただその一心だった。
「お待ちくださいっ・・・ああっ!」
とうとう足を引っ掛け派手に転んだ千代。
地面にべたっと寝そべり、強くおでこをぶつけた。
「~っ、くそ!うっとおしい!」
鬼羅は怒鳴りつけながら振り返りズカズカと千代の元へ戻ってくる。
千代の腕を乱暴に掴むと強引に引き起こした。


