「お前、俺たちが怖くねぇのかよ」




思わず琉鬼がそう尋ねるが、千代は首をかしげるだけ。
相変わらず目を輝かせ触る機会を待っている。



「ああ、もう。待ちきれないわ!」




千代はいてもたってもいられず手を伸ばすと鬼羅のツノを優しく掴んだ。




「わ、固いのね!」

「は!?てめぇ、やめろ!」




突然の事に鬼羅は抵抗し逃れようとするが千代は放そうとしない。
そんな様子を見た琉鬼は爆笑する。




「だはははっ!鬼羅が押されてる!すげー!」





指を指し笑い転げる琉鬼を鋭い眼球で鬼羅が睨みつける。
それでも琉鬼は笑いが止まらず大声を上げ笑い続けた。

そんな二人の様子にも気にも留めずただ角の感触を楽しんでいる千代。
傍から見れば、かなりおかしな光景だった。