「鬼羅!大変だ!!」



喧しく戸を開き、琉鬼が叫ぶ。
ただならぬ状況に鬼羅は千代を抱きかかえる。




「時光が従者を連れて来た!」

「なに」

「それも、大軍だ!」




時光がどれほど本気で来ているのかがわかる。
鬼羅は千代を強く抱きしめ覚悟を決める。




「千代は、俺が守る」

「鬼羅・・・」

「行くぞ」



鬼羅は、そっと千代を横たえると立ち上がる。
拳を強く握り小屋を出た。


そんな鬼羅に続き琉鬼も力強く頷くと小屋を飛び出した。




小さく、時光の軍勢の勇ましい声が聞こえてくる。