時間は、とても長く感じた。
千代は眠っているが時折苦しそうに唸り声をあげる。

何もしてやれない自分がもどかしく悔しかった。



「千代・・・すまない」




自分のせいでこんな目に・・・。
そう自分を責めることしかできない。

苦しい。
こんな思い初めてだった。




人間はなんと脆く、儚いのだろう。
すぐに壊れてしまう。


そんな者に思いを馳せてしまうなんて・・・。





「どうかしている・・・」



でも、千代に捕えられた心は、簡単にその思いを振り切ることはできない。
もう離れることなんて、できない・・・。