いつの日にか

拓人side


そんな僕に気付いたのか、彼女は顔を上げると、なぜか少し悔しそうな顔をした。

「叶恋?」

彼女は顔をプイと背けてしまった。

「えっと…ごめん…そんなに嫌だった?」

「……」

「……ごめん、もうしないよ。こっち向いてよ」

反応なし。

心がチクチクと痛んだ。

君に楽しんでもらいたかったのに、君に喜んでもらいたかったのに。

余計なことをしてしまった。

ふわりと甘い香りが僕を包み、背中に少し重みを感じた。

「……叶恋?」

いつも間にかに、彼女は僕を背後から抱きしめていた。

「………………仕返し」

彼女は顔を首筋に埋めた。

顔に熱が集まる。

「えっ、叶恋?ちょっと、ち、近い…」

「……んー」