いつの日にか



「……どこに向かってるの?」

すると拓人は、何か考え込んでいた表情から、はっと我に返ったようにこっちを見た。

「あ、ごめん、疲れた?」

いつもの優しい顔に戻ったのを見て、安心する。

私は首を横に振った。

「よかった」

あたりはいつの間にかに木に囲まれていた。

どうやら森の中に入ったらしい。

そこは少し肌寒く、木が月の明かりを遮っていて、とても暗い。

私はぶるっと身震いをした。

ーーー少し、怖い。

自然と繋いだ手に力がこもる。

すると拓人は気づいてくれたのか、
手を一旦離し、肩を抱き寄せてくれた。

ドキッと胸が高鳴る。

「怖いの?」

私は彼のシャツの裾を両手で握り、うなづいた。

「着いたよ」

そこは、少し開けた場所だった。

夜だというのに、月の光に照らし出された水色の花が咲き乱れている。

「綺麗!」

その幻想的な景色に、気分が上がる。

私達は、水色の花の中に腰を下ろした。

「ここなら怖くない?」