目の前に広がるのはまさに地獄絵図だった。



鉄の臭いに眩暈を起こし倒れそうになる。



そこに見えるのは新撰組の人間の死体だけ。



生き残ったのは庇われ続けた自分ただ一人。



何のために髪まで切って決意したんだ。



ここでなら変われると思ったからじゃないのか。



そんな思いだけが何度も頭を過ぎった。



「もう、嫌だ」



そう呟いた時、暗闇の中から見えたのは刀を持った男だった。



男はゆっくりと近付いて来る。



目の前にまで来た男は持っていた刀を振り上げた。



そして次の瞬間真っ赤な血飛沫が舞った。