そしてまた先程と同じ状態になる。
「君が誰かわからない以上連れて帰るのはよくないと思ったけど、近藤さんのことを知っているのなら来てもらうよ」
そう言って男は私を引きずっていく。
襟を掴むな。
首が絞まる。
そんなことを心の中で訴えた。
「首が絞まるから離せ。死んだらどうするんだよ」
「別にそれそれでいいんじゃない。死んだら間者かどうかなんて関係ないし」
「まぁ確かに死のうが生きようがどうでもいいけど」
小声で言う。
どうやらこれは男にも聞こえなかったようだ。
首を傾げている。
ざまぁ。
ていうか私は病人じゃないよ。