《警告、警告》


オレの頭の中でアナウンス的なのが流れた。


《近くにいる方の攻撃力、魔力共に急上昇しています。速やかに遠くへ逃げてください。》


(…逃げれるわけねーじゃん!)


俺は動こうにも動けずただただ彼女から放たれている殺気にびくついていた。


「ユアン、ありがとうございます。あとは私が…」


次の瞬間、彼女は突如消えた。


「あの女!どこへ消え「うるさい」


いきなり山賊の一人が倒れた。


「おい!だいじょう「うっせーよ」


またひとり、倒れた。
それから一人ずつ倒れていき、とうとう山賊のリーダーのみ残された。


「お、お前、なにもんだ!こんな強いとはきいて「お前には一番苦しんでもらおう。」


そういって、どこからか出現した細剣を山賊のリーダーにつきつけた。


「ひぃぃ!い、命だけはお助けを~!」


「あなたは、ユアンを傷ちけたあげく、人で商売をしようとした罪、見逃すことはできません。ここで、成敗して差し上げましょう。」


そういって、彼女は細剣を振り上げ、勢い良く下ろした…


「!!誰だ。お前は。邪魔をするな。」


「さすがに殺すことはないと思うよ。」


まさに、山賊のリーダーに細剣が降り下ろされるギリギリのところで、俺は、一瞬で作った片手直剣で防いでいた。
さすがに殺す瞬間をみたくなかったので、反射的に出てきてしまった。

「あなたは、彼らの仲間ですか?」


少し落ち着きをもどしてきた彼女は俺との距離をおいてから言った。
俺は……


「いいや、違うさ。俺…私はただの通りすがりの旅人さ。」