それでも私は軽蔑の目だった。
いけないと思いながら続ける。


「言いたいことがあるなら言え」
お父さんは煙草を口から外し、
路地に捨て足で踏み潰す。



「何も無い。お父さんこそ、
何かあるんじゃない?」
冷たい言葉で私は返した。



「そうか。お父さんはあるよ。
今日からお前は俺の子じゃない」
一瞬あいつは何を言ってんだ?
と脳が動き出した。



「は?今日からって・・・」
声を押し殺して私は呟いた。



「決めた。離婚する。由加里
いいよな?」
お父さんはお母さんである
由加里にそう告げた。