“もう帰ってくるな”

“生まなきゃよかった”

父と母に言われた
沢山の絶望的な言葉がぐるぐると頭の中を巡っていく


「い、い……や
助けて……しゅ、う」

体の震えが……
涙が……

私は両手で自分の体を抱き締める形になりながら部屋にいるはずの柊に助けを求めた時だった

バタバタバタッ


どこからか誰かが走ってくる足音が聞こえてきた

でも、私はその足音が誰なのか…

確認する余裕がない

「明日香っ!?」

目の前に柊が現れた

ギュッ

柊は私を見るなり強く抱き締めてくれた

「大丈夫だ…明日香…」

柊は私の耳元で
安心させるかのようにそっと囁いてくれた

「しゅ、う…」

あぁ、
さっきの足音は柊だったんだなと思いながら私は柊を力一杯抱き締めた

「あぁ……」


「……ッッ…柊~
……ヒック…ッ…」

私は柊が側にいることに安心してじっと泣き続けた

柊はなにも言わずずっと私を抱き締めていてくれた