「ではこちらを受理致します」

私たち四人で養子縁組の受付をした

書類は思ったより
すんなりと受理され、
今日から私は“尾崎”になった

高瀬 明日香
から
尾崎 明日香に!

「嬉しいな……」

駐車場までの道で私は言った

「そうね!
私も嬉しいわ!」

「あぁ」

「そうだな」

お母さん、お父さんも、柊もみんな笑っている

私は今日のこの日を一生忘れない………

私に“家族”をくれた
私に“愛”をくれた

復讐という醜い感情を受け止め、
私を優しさに包み込んでくれた……


それに私にまた、
“家族”
の繋がりを
“愛し、愛される”存在を
私にくれた柊たちに感謝ばかりだ………


「ありがとう!!」

私は3人にありったけの
“ありがとう”
と言った

私はちょっとだけ恥ずかしくて
みんなの顔を見られずに
走って車のところに向かった

その後ろで
お父さんとお母さんが“娘”の
これからの幸せを願って微笑んでいたこと……

柊が“最愛の人”を見ながら優しく
微笑んで私のことを見ていたとは
気付かずに……………

‐Fin‐