「明日香はやっと復讐から解放されたのね…」

「あぁ」

私の問いかけに空牙が頷く

「明日香が私たちの本当の娘になりたいって自分からはっきり
言ってくれたのは今日が初めてね」

「……そうだな」

ギュッ

空牙は返事と共に私を抱き締めてくれた

「ふふっ
どうしたの?空牙?」

急に抱きついてくることは何度もあったけど今日の空牙は
少し抱き締める力が強い


「麗、泣くな……」

静かにそう言った空牙に私は

「えっ?私泣いてな………
あらっ?」

と言いながら確認のために片手で
頬を触ってみると
その頬は濡れていた

「本当だわ……
どうしたのかしら?………っっ」

自分が泣いていることを自覚したからなのか涙は止まらなかった

「麗……お前も泣いていいんだぞ?」

お前“も”かぁ~

きっと空牙は私がさっき明日香に
言ったことを私にも言ってくれてるんだわ……