「柊…」
「何だ?明日香」
車のなかで柊を力なく呼んだ私に柊は聞く
「これでよかったのかな?
今日まで復讐を望んでいたのに終わってみると思ったよりあっけなかった
それに胸の中がね…………
グジャグジャなの」
そういう私に
「そうだな………
明日香は優しいから
でも、それでいいんじゃないか?
ゆっくり
その胸のわだかまりをなくしていけば」
柊は優しく言う
「うん……
あのね、静さんに会うまではね
少し期待してたの…
もしかしたら、…………もしかしたら私があの家に行ったら優しく迎えいえてくれるんじゃないかな?って」
「あぁ」
「でもね、そんなの私の思い違いだった
やっぱり
あの人にとって私はいらない子だったんだって再確認できたの
悲しかった…
……………………寂しかった…」
私は自分の思ったことを素直に柊に話す
柊は一瞬顔を歪ませ、私の体を抱き寄せてきた
「そうだよな…
あんなこと言われて平気なやつなんていないよな
よく頑張ったな…よく許したな
偉いよ明日香は…」
ゆっくりと柊はそう言ってくれた