もうなんなのよ!

私はインターホンがなり玄関を開けると黒い服に身を包んだ女性がたっていた

……誰かしら?
でも、私は何故かその女性に見覚えがある…


どこかで会ったことあったかしら?
そう思いながら私は玄関に向かう。


待って…!
今、目の前にいる女性はなんて言ったの…?!

明日香…って言ったわよね?


そう、見覚えがあると思った女性は
もう縁を切ったとはいえ私の実の娘だった


あの子は実の母親の私でもわからないほど
とても綺麗に成長していた




あの
あどけなかった幼い顔つきは消え失せ
凛とした
どこか……冷たい印象を伺わせる顔になっていた

メイクをしているせいかもしれないけれど
私の知っている
…最後に会った時の顔と印象が全然違っている


でも、私は明日香の変化に戸惑っている暇はない


“何しに来たのよっ!!”
“もう二度と会いたくなかった”
“また、私たちに迷惑をかけるの!?”

そんな言葉が私の心の中を
荒れさせた



明日香が捕まってから
私達はさんざんな目に遭った

近所からは無視をされるのが当たり前……

少し買い物をしようとするにも
毎日マスコミの連中が追いかけてくる

勿論、玄関の前や至る所にマスコミが集まりまるで監視されているかのような生活…

それだけには収まらず
夫は仕事を辞めるし、浩基は非行に走ってしまった!!

そんな生活に耐えきれず、
とうとう私もノイローゼになってしまうし…

こんな生活から抜け出したくて
私達は逃げるようにここに引っ越してきたの!!

なのに!
何故そのこの子は私の前に現れたのっ!?

私は周りを気にすることなく叫んでしまった


すると今まで気づかなかったが明日香のすぐそばにいた男が口を開く

「近所迷惑になりますよ」と……
その目は私を軽蔑するかのように
その口調は私を非難するかのように!

だけど男が言った言葉にハッとした

すぐ周囲を見回すけど
幸い誰も近所を通っていなく
私は胸をなでおろす

こんなところを見られたら近所の人に勘ぐられてしまう……


そう思って
本当は嫌だけど…………
その二人を家に招き入れた