2、3分たったとき
またも走ってこっちに来た

「あれっ、誰だろう?」

麗さんの横には知らない男の人がいた

こっちの男の人も和服を着込んでいて
短めの黒髪
意思の固そうな、
それでいて優しそうな瞳
身長も190㎝はありそうだ

その人がまとっている空気はとても優しそうだがその半面、
周囲を威圧するかのような空気を隠しきれていない


一瞬ビクッとしたが直感でわかった

たぶんこの人が麗さんの旦那さん
尾崎組現・組長
尾崎 空牙(おざき くうが)さんだと


スッと私の方を見た空牙さんは、
少しだけ固い表情で見たがすぐに優しく微笑み

「君が麗の言っていた明日香かな?はじめまして」

自己紹介された………
組長さんに


慌てて私も挨拶を返した

「は、はじめまして
高世明日香です」


そう言った私に

「私達の家に来てくれるって本当か?」

そう言った

「は、はい
あの、迷惑だったら行きません」

最後の方はとても小さい声だったけど
空牙さんたちには聞こえたらしく

「いや
迷惑じゃないよ
でも、麗から聞いている通り家は極道だからな……安全とは言い切れん」

「安全じゃなくていいです
私は、ここを出たら復讐したい相手がたくさんいるから
私の方がとても迷惑をかけてしまうかもしれません」

ちゃんと隠さずに言おうと思い
復讐のことも隠さずに言った

「その事は麗から聞いたよ
ここを出てもし、やりたくなくなっていたらそのまま家族として一緒に暮らそう
だが、
まだ復讐したいと思っているなら俺たちは、
協力しよう……家族として
もしも明日香さえよければだけどな」

そう優しく
復讐のことも止めずに言ってくれた空牙さんに

「な、なりたいです
家族に……空牙さんと麗さんと」

言ってしまった

内心そう思っていた私に
二人とも笑って

「「よかった、なろう家族に!」」

ハモりながら言ってくれた

それからは早く出所にならないかなって思って毎日を過ごした