「約束だからな!」


「わかったっつうの」


「マジでよ!」


「わかったっつうの!しつけ!」


「こっちは楽しみに待ってっんだからよ。ったく。じゃあな」


「はいはい。じゃあね」


会話が終わり切れた携帯。


手にして込み上げてくるせつなさ。


振り回されててイライラしっぱなしだけど、慶太に言われるとちゃんということきかなければいけない気がしている自分。


これが惚れた弱みなのだろうか。


自分でもよくわからず仕舞いだ。


とりあえずすぐに携帯を見て女友達を物色する。


と、目に止まったのは“知佳(ともか)”の文字。


知佳は華奢で、美人と可愛いどちらも持ち合わせた女から見ても憧れる女。


もちろん男ウケも抜群で、あたしと職場が同じ知佳のファンは半端ない数だ。


慶太の元に自分より可愛くない子連れてけばいいのに、なぜか格段上の知佳を選んでしまうあたし。


必ず慶太は知佳を気に入る。


そんなのはわかりきってる。


わかりきってても可愛くない女を連れていくわけにもいかない。


あたしバカだな。なんでこんなんしてんだろう