「ふ~ん。んで何した?」


「今日さ…あいてない?」


「今日?酒飲み過ぎて寝てるよ。ってかちょうど休みもらったとこ」


「あっ、休みもらったんだ。つうかさぁ。あの、ちょっとでいいから会いたいんだけど」


はっきり言ってとてもだるい。


とことん微動だに動きたくない。


でも慶太と繋がっていたい気持ちが勝っていて、ずる賢いあたしがこのきっかけを逃すわけがない。


「あたし寝てたいから部屋に来てくれる?一人暮らしだから誰もいねえし」


「一人暮らし!?」


「うん。そうだけどなんかした?」


「あっ、えっ、いや、全然寝ながら話していいから。この間の場所の近くでいいんだよね?」


「そうデカイアパートんとこ」


「うん。わかった。んじゃもうちょいしたら行くね」


「は~い。待ってま~す」


そう返事し電話を切った。


が、どう考えてみても化粧がとれ凄い顔なのは確実だ。


挙げ句の果て、立ち上がるのもままならないただの二日酔い女。


汚いなんてもんじゃない。


参ったな…


この情けない姿をさらして悠希を落とせるわけはない。


あたしの気持ちは段々不安になっていった。


そのくせ悠希が来る前に着飾ればいいのにお洒落もせず、なぜかパジャマに着替えるあたし。


やる気があるのかないのか本人も意味不明だ。