「なぁ。唯ちゃん彼氏もち？」
唯がいなくなると慶太はマイクを口元から離し、ここぞとばかりに探りを入れてきた。
「残念ながら彼氏もち～」
あたしの気も知らず唯ばかり意識している慶太。
露骨過ぎで、はっきり言って面白くない。
してやったりの気分で微笑み、嫌みくさく口を尖らすと
「なぁんだ」
再び歌い出しても急激にがっかりしているのが嫌でも伝わる。
本当はあたしも肩を落としたかった。
でもこの場の空気を盛り下げるのもなんだから
「悠希君なんか歌ってよ」
話を悠希に振り、分厚い本を手に持ちさりげなく近寄りお願いした。
「俺、歌苦手なんだけど～」
そう言いながらも悠希はページをめくり、一生懸命曲を探し歌ってくれようとしている。
「なんでもいいからお願い！」
「ん～じゃこれでいっかな」
手を合わせお願いすると、悠希は急いで歌を決めてくれた。
慶太の歌が終わり悠希の曲が流れ歌い出す。
悠希は恥ずかしそうにはにかみ、大きな瞳を輝かせ何度もあたしと目を合わせた。
部屋に響く歌声。
そんな優しい悠希の歌を聞いててもあたしの心は
悠希とつきあわなきゃ。じゃなきゃ慶太とは繋がらないし。でもどんな手を使って…
どうやって悠希を落とそうか頭をフル回転させていた。
慶太の為に悠希を使うなんて女として最低な行為。
間違いなく最低だろうがあたしはそれくらい慶太との復縁を強く願っていたんだ。
「電話してきました」
慎との電話を終えた唯は部屋に戻ってくるとしんどい顔つきで席に座り、慎と何かあった雰囲気をかもちだす。
あたしのせいで二人は揉めてしまったかもしれない。
が、今慎の話題を唯に振り帰られたりしたらさすがにまずい。
「唯飲もうや。なっ」
手に無理矢理グラスを握らせ、あたしは唯に満面の笑みを浮かべ酒をすすめた。
「はい。今日はやけ酒です」
唯もあたしにすすめられ断りきれず酒を飲み、勢いまかせにハイペースで注文しだした。
慶太は唯に彼氏がいると知り、興味がなくなったのかあまり唯に話しかけない。
場の雰囲気は悪くはないが、各自が何かを抱えててまとまりきらずバラバラな感じだ。
唯がいなくなると慶太はマイクを口元から離し、ここぞとばかりに探りを入れてきた。
「残念ながら彼氏もち～」
あたしの気も知らず唯ばかり意識している慶太。
露骨過ぎで、はっきり言って面白くない。
してやったりの気分で微笑み、嫌みくさく口を尖らすと
「なぁんだ」
再び歌い出しても急激にがっかりしているのが嫌でも伝わる。
本当はあたしも肩を落としたかった。
でもこの場の空気を盛り下げるのもなんだから
「悠希君なんか歌ってよ」
話を悠希に振り、分厚い本を手に持ちさりげなく近寄りお願いした。
「俺、歌苦手なんだけど～」
そう言いながらも悠希はページをめくり、一生懸命曲を探し歌ってくれようとしている。
「なんでもいいからお願い！」
「ん～じゃこれでいっかな」
手を合わせお願いすると、悠希は急いで歌を決めてくれた。
慶太の歌が終わり悠希の曲が流れ歌い出す。
悠希は恥ずかしそうにはにかみ、大きな瞳を輝かせ何度もあたしと目を合わせた。
部屋に響く歌声。
そんな優しい悠希の歌を聞いててもあたしの心は
悠希とつきあわなきゃ。じゃなきゃ慶太とは繋がらないし。でもどんな手を使って…
どうやって悠希を落とそうか頭をフル回転させていた。
慶太の為に悠希を使うなんて女として最低な行為。
間違いなく最低だろうがあたしはそれくらい慶太との復縁を強く願っていたんだ。
「電話してきました」
慎との電話を終えた唯は部屋に戻ってくるとしんどい顔つきで席に座り、慎と何かあった雰囲気をかもちだす。
あたしのせいで二人は揉めてしまったかもしれない。
が、今慎の話題を唯に振り帰られたりしたらさすがにまずい。
「唯飲もうや。なっ」
手に無理矢理グラスを握らせ、あたしは唯に満面の笑みを浮かべ酒をすすめた。
「はい。今日はやけ酒です」
唯もあたしにすすめられ断りきれず酒を飲み、勢いまかせにハイペースで注文しだした。
慶太は唯に彼氏がいると知り、興味がなくなったのかあまり唯に話しかけない。
場の雰囲気は悪くはないが、各自が何かを抱えててまとまりきらずバラバラな感じだ。
