【好きだから別れて】

『ちゃんと彼女を大切にするよ。っていうか一つ教えて欲しいんだ。今のお前は幸せなのか?』


悠希のメールに目を見開いた。


喧嘩ばかりで、真也とうまくいってないあたしは心が抜け殻みたいで。


幸せとは程遠く、息を吸うのさえ苦痛な毎日を過ごしている。


「幸せ」


そんな事さえ考える余裕などなく、光を育てる目標しか残されていない。


あたしは


幸せなのだろうか…


『ちゃんと生きてるから幸せなんじゃない?光いるし、幸せってのはわかるよ』


幸せをわかっていないくせ幸せなフリを演じ、悠希に心配かけまい重荷になるまいと嘘のメールを送信した。


あたしの幸せって何?


生きるだけ?


偽ってまで悠希を遠ざける事?


~光を守る~


母親を選択肢したあたしはもう逃げられない。


自分の幸せを光と共に見つける。


でもね…


悠希。


今だから言うよ。


あなたに看取られて死にたかった。


本当は


本当は歩ね


あなたと幸せになりたかったよ…


欲を望むなら、光と共にあなたの胸へ飛び込みたい。


言う度胸もないくせ儚き夢を思い描き、自分の胸に閉じ込める。


誰にも告げず、墓場まで持っていく歩の秘密。