【好きだから別れて】

「嫉妬」という厄介な奴があたしの中を巡って、彼女に対し悔しくて身震いしてしまいそうだ。


そんな気も知らずに悠希はメールを送ってくる。


『合コンで知り合ったんだ』


皮肉にもあたしと同じ形で出逢っている彼女。


真也との出会いとも同じ形。


これが運命的と言うのならばそんな運命、全否定してやる。


二度と運命なんて信じない。


『合コンかよ!まぁ大切にしてやれ』


メールでの会話がつらくなり、あたしは泣きながら悠希へメールを送信した。


メールが返ってくるまで思いにふける。


知らない女だけど。


悔しいけど大切にしてあげて。


でもあたしと同じ愛し方はしないで欲しい。


それだけは絶対イヤ。


あたしを悠希の中から消さないで…


もう出つくし枯れ果ててしまった涙を拭い、あたしは目を瞑った。


色付いていた記憶や思い出は透き通り「無」になりたがっている。


自分の中から消せと言わんばかりに…


悠希は最高だから誰も悠希を越えられないんだ。


あたしがそう思ってるいるのは間違ってなんかない。


悠希は最高だよ。


うぅん。最高でした。