【好きだから別れて】

気まずいのか悠希が送ってくるメールに時間がかかり出した。


10分じゃきかない受信にいい気はしない。


『すげぇいい子だよ。看護婦してんだ』


~看護婦~


きっとあたしとは対象的で優しさに溢れた子だろうな。


人の為に尽くす仕事。


命を守り抜く仕事。


まるで悠希みたいだね…


優しさに溢れてて枯れた心を救い出してくれた。


死にそうな体を救い出してくれた。


看護婦って手をギュッと握ってあげるんだよね。


ギュッって包み込むように。


本当にまいっちゃう。

あたしは手を出されたら振り払うもん。


愛情一杯に包み込む。


そんな愛情に満ちた行動をするなんてあたしにはない。


姿の見えない女。


そいつに負けた気がしてたまらないや…


うなだれてるくせ意地を張るのだけは一丁前で。


祝福してますってメールを平然と送信した。


『看護婦!?どうやってゲットしたもんだか。いいねぇ。将来安泰的な♪』


悠希と彼女の状況なんてつかめない。


このままではムキになって余計な探りいれそうだ。


彼女はどう?


どれくらい好き?


あたしより好きになりそう?


思い出をかき消せてしまうくらい好きになりそう?と…