子供だから仕方ないのだが、一段とエスカレートしてく光の夜泣きは止まらず、日々寝不足が続いていた。


それに輪をかけ母乳をうまく吸ってくれない。


マッサージしても乳腺が詰まり、乳腺炎で胸がカチカチに張れて高熱を出してしまう。



過剰なストレスと疲れが原因で皮膚一面を覆う大きなじんましんも出てきて止まらない。


体は生きてる?


死んでる?


あまりにも物事が回らず訳のわからない状態になっていたあたしはそんな時、優しい言葉が欲しかった。


たった一言でいい。


ねぎらいの言葉が欲しい…


だが、真也はあたしの愛情が向いてないのを恨むかのような態度を毎日とってくる。


一度も忘れず早起きして弁当を作っても地味におかずを残してきて「どうやってあれで飯食えばいいの」と嫌みを言い。


友達に誘われれば「俺に娯楽はねぇの?」となけなしの金を持っていき、飲みに出掛けれ朝方帰宅する。


甘えちゃいけない。


1人でも育てていくんでしょ。


光はあたしの子…


真也とは家庭内で根比べしている感じに近く、真也が仕事から帰ってくるとまたなにか嫌み言われそうな気がして重たくのしかかる。


大人の事情を知らない無垢な光は生えてきた歯を見せながら日中あたしにむかい笑っていた。


愛されて生きていくべき子を目の前に笑えない自分がいて。


頭をゆっくり撫で「ありがとう」と表現するのがその時のあたしには精一杯だった。