【好きだから別れて】

数日後。


あたしは懲りもせず陸へ二回目の合コンのお願いをした。


結果、前回同様話はすんなりまとまり、陸に迎えに来て貰って車に乗り込んだ。


「よう!乗れ乗れ」


「乗る乗るぅ~」


「歩達、後ろなぁ」


「!?」


暗がりに浮かぶシルエット。


ツイスト。


見覚えのある鼻筋。


目に飛び込んだ男を見て言葉に詰まり、不自然なリアクションをついとってしまった。


助手席に座るのは


紛れもなく前回出席したつまらない男だ。


――えぇっ!この間のつまらな男!?またコイツかよ~会話になんねぇんだもん。最悪じゃね!?おいおい歩。おめぇどうすんだよ


不満を口にはしないが内心、不機嫌を極めた。


「ふざけんな!」って陸をどつく一歩手前。


陸にはめられたぁああ!


「腹減ったから軽く食おうぜ!」


「…なんだてめぇ…」


「ん?」


「あっ、いや。何でもない。食うか」


あたしの声が聞こえてなかった陸はヘラヘラ浮わついた声で話してくる。


悪気がなく悪さをするのがストライクに腹が立つ。


まぁ真に受けてここで喧嘩しても仕方ない。


しぶしぶだったがふざけた陸の要望でファミレスで少し食べ、ビール一杯をみんな注文し、ちょっと勢いつけてまたまたカラオケに行く事になった。