陸との合コン日。
車一台で行動した方が会話する時間を長くとれるうえ、何かと都合がいいという理由で陸が車を出し、迎えに来てくれた。
集まった時間は飲みに合わせ夜8時。
自販機の明かりで助手席には知らない男が一人座っているのは把握出来るが、横顔がうっすら見えた程度で顔は確認しきれない。
――悠希の時もこんな感じだったな…あっ。忘れる忘れる
悠希と初めて出逢ったあの日が浮かんで、これから進むくだらない予定を邪魔する。
今日はあの日じゃない。
今日は思い出にすらならないくだらない合コンをする日。
悠希を思い出してる場合じゃない。
あたしはハエを振り払う手振りで「う~っ」と唸り、下を向いた。
陸の提案で合コンと言ったら定番だろと真っすぐカラオケ屋に向かい、男女四人で席に着いた。
陸が連れてきた男は今風。
だがいかにも男っぽく、髪は茶色のツイストパーマで目がきつくつり上がってまったくタイプじゃない。
嫌いな部類に限りなく近い。
――悠希にかなわない。誰も悠希にかなわない…
またあたしは悠希を思い出し、一人沈んでいた。
「歩?どうした?楽しむんでしょ?ほれ、歌!」
「あっ。おう。歩、いっきま~す」
作り笑いをして女友達に手渡されたカラオケ本をめくり、一番手で好きな曲を入れる。
「おぉ~うめぇよな」
「確かにうまい」
「だてにお水やってたわけちゃうわ。なんてね!」
陸が褒め出すと女友達も楽しそうに笑いだし、手を叩いて盛り上がり始めた。
車一台で行動した方が会話する時間を長くとれるうえ、何かと都合がいいという理由で陸が車を出し、迎えに来てくれた。
集まった時間は飲みに合わせ夜8時。
自販機の明かりで助手席には知らない男が一人座っているのは把握出来るが、横顔がうっすら見えた程度で顔は確認しきれない。
――悠希の時もこんな感じだったな…あっ。忘れる忘れる
悠希と初めて出逢ったあの日が浮かんで、これから進むくだらない予定を邪魔する。
今日はあの日じゃない。
今日は思い出にすらならないくだらない合コンをする日。
悠希を思い出してる場合じゃない。
あたしはハエを振り払う手振りで「う~っ」と唸り、下を向いた。
陸の提案で合コンと言ったら定番だろと真っすぐカラオケ屋に向かい、男女四人で席に着いた。
陸が連れてきた男は今風。
だがいかにも男っぽく、髪は茶色のツイストパーマで目がきつくつり上がってまったくタイプじゃない。
嫌いな部類に限りなく近い。
――悠希にかなわない。誰も悠希にかなわない…
またあたしは悠希を思い出し、一人沈んでいた。
「歩?どうした?楽しむんでしょ?ほれ、歌!」
「あっ。おう。歩、いっきま~す」
作り笑いをして女友達に手渡されたカラオケ本をめくり、一番手で好きな曲を入れる。
「おぉ~うめぇよな」
「確かにうまい」
「だてにお水やってたわけちゃうわ。なんてね!」
陸が褒め出すと女友達も楽しそうに笑いだし、手を叩いて盛り上がり始めた。



