「クリスマスプレゼント買ってないからさすがに今回は絶対買うからな!」


「いっ!?」


「いじゃねえよ!俺は何と言われようが買う!」


クリスマスをしなかったのが相当悠希的に心残りになっていたみたいだ。


悠希の怒鳴り口調から意志の強さが感じられ、一瞬たじろいだ。


――ダメだぁ。今回は止めらんない。あたしも誕生日は別って言ってるだけに強く言えないし…


自分が言った言葉に後悔しつつ、うなずくしかなかった。


「う~ん。んじゃ甘える…」


目の前で雑誌なんか見なければこんな流れにはならなかった。


よりによって高いブランド品の雑誌。


客なら良心は痛まないが相手は悠希。


あたしなんかに無駄遣いしないで欲しいのに。


返事してしまったからには後にひけない。


「よし。んじゃ俺の休みに買いに行こう。決定!」


悠希は決まったのが満足なのか、笑顔で両手を天井に向け背伸びをする。


それに反して素直に喜べないあたしがいた。